波形スレート屋根のアスベスト安全対応とカバー工法

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工場の波形スレート屋根は、状態によってカバー工法で改修できます。ただし、既存屋根を残せるかは、下地の強度や固定方法、石綿調査の結果を踏まえた判断が必要です。私は、工事のときだけでなく、その後の維持管理まで含めて改修方法を検討することが大切だと考えています。
今回のお役立ちコラムでは「工場の波形スレート屋根のカバー工法と、下地・石綿調査・見積もりの確認点」について解説します。
工場の波形スレート屋根にカバー工法を採用できる条件

カバー工法は、既存の波形スレート屋根を残し、その上に金属製の屋根材などを取り付ける改修方法です。既存屋根の全面撤去を伴う葺き替えと比べ、撤去作業や廃材の量を抑えられる場合があります。ただし、新しい屋根を重ねることと、傷んだ下地を直すことは別の工事です。
屋根の表面を覆っても、その下にある母屋や固定部の腐食が解消するわけではありません。雨漏りがある場合も、浸入口と傷んだ範囲を確認せずに覆うと、必要な補修を取り残すおそれがあります。
私は「残せる屋根か」と「残すことが今後の工場運営に合うか」を分けて考えることをおすすめします。補修や補強を組み合わせる方法と、葺き替える方法を比較し、建物を今後何年程度使う予定なのかも踏まえて判断しましょう。
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確認する対象 |
カバー工法の判断に必要なこと |
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既存屋根・下地 |
割れ・欠損・腐食・変形の範囲と、補修・補強の必要性 |
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固定部 |
採用する工法で必要な固定強度を確保できるか |
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建物全体 |
新しい屋根材や下地による追加荷重を負担できるか |
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雨漏り |
浸入口と傷んだ範囲を把握し、必要な補修を含められるか |
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石綿・維持管理 |
施工時の対策と、残す建材の将来の管理・撤去を整理できるか |
既存屋根・下地・固定部・荷重・漏水を確認する
屋根の確認では、波形スレートの割れや欠損だけでなく、屋根を支える母屋の腐食・変形、ボルトなどの固定部の状態を調べます。母屋とは、屋根材を受ける横方向の部材です。表面の傷みが少なくても、固定先の強度が不足していれば、そのまま新しい屋根を取り付ける判断はできません。
固定方法には、既存屋根を貫通して母屋にビスを留める方法や、既存フックボルトを利用して新しい下地を設ける方法などがあります。どこに、どの部材を使って固定するのかによって、確認すべき箇所は異なります。採用する製品・工法の施工条件と現状を照合し、既存部材をそのまま利用できると決めつけないことが大切です。
さらに、新しい屋根材や下地の重量が加わるため、建物がその荷重を負担できるかも確認します。建物の図面や部材の状態を踏まえ、必要に応じて構造の専門家による検討を行います。
見えない部分の状態は推測で決めつけません。漏水については、屋根面だけでなく棟や谷、設備の貫通部なども調べ、必要な補修範囲を整理します。腐食が著しい場合や固定強度を確保できない場合は、補強や葺き替えを含めた検討が必要です。
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石綿の事前調査で施工方法と将来の撤去を整理する
既存屋根を撤去しないという理由だけで、石綿の事前調査が不要になるとは判断できません。穴あけや一部の取り外しなど、実際に行う作業を確認することが必要です。含有の有無を築年数や屋根の見た目だけで決めつけず、設計図書や製品情報も確認します。
工場の建築物では、一般建築物石綿含有建材調査者・特定建築物石綿含有建材調査者など、対象建築物の調査を行える資格者等による確認が必要です。一戸建て等石綿含有建材調査者の資格だけでは、工場の調査には対応できません。元請業者に調査者の資格と調査範囲を確認しておくと安心です。
調査では設計図書などの書面と現地の目視を基本に、工事に関係する材料の石綿含有を確認します。書面・目視で判定できない場合は、分析調査を行うか、石綿を含むものとみなして必要な措置を講じます。すべての屋根で採取・分析が必須というわけではありません。屋根材の種類や固定方法、部分撤去の範囲に応じて、粉じんの飛散防止や作業者の保護を計画します。
カバー工法を採用しても、既存の石綿含有建材そのものは残るため、将来の修繕や建物解体時に対応が必要です。施工時の費用だけで判断せず、その後に新旧の屋根材を撤去・処分することも見込んで比較しましょう。調査結果と残した建材の位置、改修範囲を記録し、設備管理の担当者が変わっても引き継げる状態にしておくことが大切です。
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カバー工法の契約前に確認したい手続き・見積もり・操業への影響

カバー工法の見積もりは、屋根材の価格や施工面積だけでは比較できません。調査と必要な手続き、下地補修、安全対策まで含めて、同じ範囲の工事になっているかを確かめることが大切です。
操業への影響も、既存屋根を残すという理由だけでは判断できません。屋根の踏み抜きや資材の落下を防ぐ設備、屋内の商品・製造機械の養生、作業場所の直下に人を入れない区画設定などを検討します。トラックやフォークリフトの動線と工事車両の配置が重なる場合は、搬入時間や通路の調整も必要です。
安全な作業区画を確保できなければ、生産ラインの一部停止が必要になる場合もあります。工事の候補日だけでなく、停止できない生産工程、使用を制限できる場所、休業日などを事前に共有しておきましょう。屋根上の作業だけを見るのではなく、屋内と敷地内の使い方まで確認することが、無理のない工程につながります。
事前調査の結果報告と作業の届出を分けて確認する
石綿の事前調査と、その結果を行政に報告する義務は別です。工場屋根の改修では、請負代金の合計額が税込100万円以上になると、石綿の有無にかかわらず、元請業者等が着工前に労働基準監督署と都道府県等へ調査結果を報告します。この金額には材料費を含み、事前調査費用は含めません。100万円未満でも、報告対象外だから調査も不要とはいえない点に注意が必要です。
一方、作業の届出は、建材の種類と作業内容によって対象が変わります。波形スレートなどの石綿含有成形板だけを扱う工事は、国の制度上、吹付け石綿や石綿含有断熱材等と同じ作業届出の対象ではありません。ただし、自治体の条例による追加の手続きは別に確認します。
吹付け石綿や石綿含有断熱材等の除去を伴う場合は、原則として工事・作業開始の14日前までの届出が必要になります。労働安全衛生法の計画届は施工業者、大気汚染防止法の特定粉じん排出等作業実施届は発注者が提出するため、対象となる作業、担当者、期限を事前に整理しましょう。届出の対象外でも、石綿の飛散防止措置が不要になるわけではありません。
越谷市・春日部市・さいたま市などで工事をする場合も、所在地を管轄する自治体の窓口と労働基準監督署を確認し、必要な手続きや地域の運用を元請業者と共有しておくことが大切です。
また、大気汚染防止法に基づく事前調査記録は、元請業者等が工事終了日から3年間保存する義務があります。発注者側でも調査報告書を受け取り、残した建材の管理資料として、将来の改修・解体まで引き継げるよう保管しておきましょう。
見積書の確認表で工事範囲と操業への影響をそろえる
見積書では、次の項目の数量・範囲・含まれる費用を確認します。金額が未確定の項目は、その理由と確定時期も共有しておくと比較しやすくなります。
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見積項目 |
確認内容 |
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調査・手続き |
調査範囲、分析の要否、報告・届出の担当 |
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屋根材・固定 |
製品名、施工面積、固定方法と固定先 |
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補修・補強 |
下地や固定部の補強、漏水対策の範囲 |
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安全・養生 |
足場、踏み抜き・落下・石綿飛散の防止策 |
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撤去・処分 |
部分撤去の箇所、廃材の種類と処分費 |
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工程・追加費用 |
操業制限の範囲・時間、追加工事の条件 |
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完了資料・保証 |
施工記録、残存建材の情報、保証対象と免責 |
一式という記載だけでは、補修や養生がどこまで含まれるか分かりません。対象外の工事、追加費用が生じる条件、追加工事に着手する前の承認方法まで確認しておきましょう。
保証は年数の長さだけで判断せず、雨漏りや固定部の不具合が対象になるかを確認します。既存屋根や施工対象外の部分の扱いも書面でそろえておけば、工事後の対応について認識の食い違いを減らせます。
FAQ|工場の波形スレート屋根のカバー工法でよくある質問

カバー工法を選ぶ前には、初期費用に加えて、調査で分かったことと未確認のこと、工事後に引き継ぐ資料を整理しておくことが大切です。発注前に迷いやすい点をお話しします。
Q. 葺き替えよりカバー工法のほうが、必ず安くなりますか?
必ず安くなるとは限りません。全面撤去を抑えられても、下地補強や特殊な固定部材、足場・養生などの費用が増える場合があります。比較する際は、同じ屋根範囲について、必要な補修と安全対策を含めた総額をそろえましょう。
建物を使い続ける予定年数と、将来の新旧屋根材の撤去・処分も併せて検討すると、初期費用だけに偏らず判断できます。未確定の補強費を除いた見積もり同士では比較にならないため、金額の前提も確認しておきます。
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Q. 図面がなく、下地の一部が見えない場合も契約できますか?
図面がないだけで改修が不可能になるわけではありません。ただし、確認できていない部分を「問題なし」として契約を進めるのは避けたいところです。施工会社に、調査できた範囲・未確認箇所・追加調査の方法を写真や報告書で示してもらいましょう。
固定強度の確認結果によって補強や工法変更が必要になる場合は、追加費用の決め方と承認手順も事前に整理します。屋根に上がったり穴を開けたりして、ご自身で確認する必要はありません。
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Q. 工事が終わったら、どの資料を受け取ればよいですか?
保証書に加え、完成後には見えなくなる部分の記録も受け取ることをおすすめします。契約時に次の資料の提出範囲を決めておくと、担当者の交代や次回の修繕に備えられます。
- 石綿の調査結果と、残した建材の位置が分かる図面
- 下地補強・固定部・雨仕舞の施工写真
- 使用製品・施工範囲・保証条件・点検時の連絡先
将来設備を増設する際にも、残した屋根材を不用意に加工しないよう、工事を依頼する会社へ資料を引き継ぎましょう。
工場の波形スレート屋根の改修はジャパンテックへご相談ください

カバー工法は、下地・固定部・追加荷重と石綿調査を踏まえて選ぶ改修方法です。まずは図面や修繕履歴、漏水した場所と時期、操業を止められる時間を整理しておきましょう。
工場・倉庫の外壁塗装・屋根塗装専門店ジャパンテック(株)では、越谷市・春日部市・さいたま市を中心に工場・倉庫の屋根修繕のご相談を承っています。既存屋根を残すか迷っている段階でも、現地の状況を踏まえ、必要な修繕と工事の進め方を一緒に検討します。
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