折板屋根の遮熱・防水の最適化:塗料/シート/カバー比較

春日部市、越谷市、さいたま市の工場を中心に外壁塗装工事・屋根塗装工事、リフォーム工事を専門にしている
工場・倉庫の外壁塗装・屋根塗装専門店ジャパンテック(株)です!
代表取締役の奈良部です!
工場や倉庫などに多く使われる折板屋根は、軽量かつ施工が早い反面、金属特有の熱伝導性の高さによって「夏の高温」「冬の結露」「経年腐食」といった課題を抱えています。
とくに真夏日には、屋根表面温度が60℃を超えることもあるほどです。屋内の作業環境悪化や冷房費の増大、生産設備の温度異常を招くリスクがあります。
このような問題を解消する方法として注目されているのが、遮熱塗料・遮熱シート・カバー工法の3つです。いずれも「熱を遮り」「防水性を高め」「屋根寿命を延ばす」という目的が共通しています。同時に、導入コストや施工リスクのほか維持期間には大きな差があるのです。
そこで今回のお役立ちコラムでは、折板屋根を維持・更新する上で、押さえておきたい3工法の特徴や、どのような条件で最適解が変わるかくわしくお話しします。自社の建屋に適した改修方法を判断できるための基礎知識が身につきます。
▼合わせて読みたい▼
工場屋根遮熱シート導入の最適解は?機能性・コスト・耐久性で選ぶ比較ガイド
折板屋根が抱える課題と遮熱対策の必要性

まずは折板屋根の構造と、なぜ遮熱・防水対策が必要とされるのかを整理します。熱伝導や雨水侵入など、放置すると生産性に影響するリスクをくわしくお話しします。
金属屋根の構造的リスク
折板屋根は金属板を波型または台形に折り曲げた構造で、高い強度と軽量性を両立できるのが特徴です。その反面、太陽光を吸収しやすく、熱を内部に伝えやすいという特性があります。
屋根裏では日射の影響によって、夏場に室温が8〜10℃まで上昇する場合も多々見られるのです。40度以上の室温になれば、空調効率も低下しますし、機械の誤作動や作業員の熱中症リスクを高めることにつながりかねません。
さらに、ボルトや谷樋部からの雨水浸入・錆の発生・塗膜の剥離といった、防水上の課題も無視できない問題です。とくに築15年以上の工場だと、表面塗装の劣化と内部腐食が並行して進行しますから、遮熱・防水の両立改修が求められます。
遮熱塗料は小規模工場にも導入しやすい即効型
遮熱塗料は屋根表面に太陽光を反射できる特殊な顔料が含まれています。屋根の温度が高まるのは、太陽光に含まれる赤外線を、屋根材が吸収するからです。その対策を考えるなら、屋根に対する太陽光の影響を減らせばいいことになります。
そのため遮熱塗料が有効です。反射率の高い白や淡色なら表面温度10〜20度の低減も期待できます。室内温度も3〜5度程度下がれば、作業環境の向上につながるのです。
また、施工についても大規模な工事でもありません。状態によっては修繕も必要ですが、基本的には既存屋根の清掃・下地処理した上で塗装するだけです。短工期で済みますから稼働を止めることなく行えます。一方、塗装で形成される保護膜の塗膜は、経年で反射性能が低下するため8〜12年ごとに再塗装が必要です。
また、塗料のグレードで性能差が大きいのはネックと言えます。JIS規格の赤外線反射試験値(50%以上)を満たすものが望ましいのです。
遮熱シートは稼働を止めずに温度上昇を抑える中期型
遮熱シートはアルミ箔を多層化した高反射材です。屋根裏に設置し、太陽光に含まれる赤外線(輻射熱)を反射して熱の侵入を防ぎます。
赤外線反射率は90%以上の製品も多く、一般的な遮熱塗料(反射率50〜70%)より安定して高い遮熱性能を発揮するのです。施工は屋根の上ではなく、屋根裏側(建物内部)から行うのが特徴で、工場や倉庫の操業を止めずに施工できます。
資材の搬入も室内側で完結するため、フォークリフト・ライン設備などを稼働させたまま導入でき、生産ロスを最小限に抑えられるのです。
また、遮熱シート自体はメンテナンスがほとんど不要で、耐用年数は15年程度と中期的な運用に適しています。
設置後は空調稼働率の低下や冷房電力の削減効果が期待できる対策です。鉄骨造や折板屋根のような金属構造建物では、屋根面の熱伝導が直接的な室温上昇に影響するため、シートによる輻射反射の効果が大きく表れます。
ただし、設置位置や通気層の確保を誤ると屋根裏で結露が発生しやすいのはデメリットです。金属部の腐食や断熱材の吸湿を引き起こすおそれもあります。とくに湿度の高い地域や冷暖房の温度差が大きい工場では、通気層(20〜50mm)を設けることと、防湿層の位置設計が欠かせません。
また、屋根裏に配管・照明・ケーブルが通っているなら、遮熱シートの設置ルートと干渉する可能性があります。そのため、設計段階で「配線レイアウト図と通気経路図」を確認し、施工中のトラブル防止が必須です。
塗装より高額ですが、施工後はほぼメンテナンス不要で長期安定運用できます。
▼合わせて読みたい▼
サーモバリアの評判は本当?現場の口コミ・ユーザーの体験談まとめ
カバー工法は長期運用を前提とした再生型改修
カバー工法とは、既存の屋根を撤去せず、その上に新しい金属屋根を被せる「二重構造」の改修方法です。
既存屋根と新設屋根の間に断熱材・通気層・防水層を組み込むことで、断熱・遮熱・防水性能を同時に向上させることが可能です。また、熱中症リスクの低減や冷房負荷の軽減にもつながります。
耐用年数は25〜30年と長く、再塗装や部分補修の頻度も大幅に減少するのはメリットです。これにより、長期的なメンテナンスコストを削減でき「再生投資型改修」として採用できます。
一方で、既存屋根を残すため屋根重量が増す点には注意が必要です。古い軽量鉄骨構造の建物では、施工前に構造計算を行い、耐荷重や屋根下地の健全性を確認しなければなりません。
新設する屋根材は、軽量で耐久性に優れたガルバリウム鋼板が主流で重量の増加もある程度抑えられます。
そのほか施工中に注意が必要です。足場設置や資材搬入のため、一部エリアで作業スペース確保が求められます。稼働調整や搬出入ルートで制限が出る場合もあるのです。そのため、現場動線・生産ライン・安全計画を含めた施工スケジュールの事前策定が必要です。
また、折板屋根の下地腐食や雨漏りがある場合、単なる重ね張りではなく「下地補強+防水シート施工」を同時に行うことで、構造全体の耐久性を再生できます。
とくに老朽化が進んだ屋根では、断熱材を充填した通気型カバー構法だと、結露防止と断熱強化を両立できます。
参照:(財)建材試験センター JIS K 5675 屋根用高日射反射率塗料
選定を誤らないための実務ポイント

これまでお話ししてきたような3つの工法を比較した上で、失敗を防ぐための実務ポイントを整理します。
現状診断を正確に行う
屋根改修において最初に行うべきは「目視では把握できない劣化の特定」です。折板屋根やスレート屋根の場合、表面の色あせや錆だけではなく「ボルト部・谷樋部・ジョイント部分」など、金属が重なり合う箇所の劣化進行がリスクとなります。
このため、診断には赤外線サーモグラフィーやドローン点検の併用が有効です。赤外線サーモグラフィーでは、屋根全体の温度分布を可視化し、異常発熱や断熱欠損、雨漏り部の含水状態を判定できます。ドローン点検は高所作業を伴わず「ボルトの浮き」「塗膜の剥離」「錆の進行度」などを、高精度で記録できるのがメリットです。
また、打音検査や膜厚測定をすれば下地の腐食度や塗膜の密着性も数値で把握できます。これらのデータに基づき「塗装で延命できるのか」「カバー工法で更新すべきか」を判断することで、無駄な施工費を防ぎ、的確な改修仕様を策定できます。
また、診断結果は必ず写真付きの報告書としてまとめられるような業者なら信頼性があるのです。劣化箇所・原因・推奨工法・概算費用を可視化できます。そのまま社内稟議・補助金申請の資料にもなり、根拠のある意思決定資料として活用できるのです。
稼働スケジュールを考慮する
多くの製造・物流施設では、「ラインを止められない」「荷受け・出荷を継続したい」という制約があります。
そのため、工事計画段階で最も重要なのが、稼働スケジュールと安全動線の両立です。
各工程で停止が必要な作業と稼働中に実施できる作業を仕分けします。屋外で完結する遮熱塗装や屋根上カバー工法は、休業日や夜間施工が有効です。屋内から行える遮熱シート施工なら、生産を止めずに同時進行できます。
工場の種類によっては「粉塵・臭気・溶剤」の使用が制限されます。無臭型遮熱塗料や乾式施工の遮熱シートを選定するのが安全です。
また、日中稼働を優先する場合は、夜間や休日の限定施工スケジュールを設定するなど、工場の稼働リズムに合わせた柔軟な工程管理が求められます。診断精度と稼働調整を両立することで、「安全性・生産性・費用効率」を高いレベルで維持できるのです。
FAQ

Q1:塗料とシートを併用しても問題ありませんか?
A:問題ありません。遮熱塗料で表面温度を抑え、屋内側にシートを設置すれば、輻射熱と伝導熱の両方をカットできます。
Q2:カバー工法は重量が増えると聞きますが、安全性は?
A:構造計算で耐荷重を確認すれば問題ありません。ガルバリウム鋼板など軽量素材を使えば、1㎡あたり10kg前後の増加に収まります。
Q3:台風時の耐久性はどの工法が高いですか?
A:最も高いのはカバー工法です。ボルト固定を新設するため、風圧耐性が高く、台風地域では選ばれやすい方法です。
ジャパンテックが提案する、折板屋根の遮熱・防水を最適化するための次の一手

折板屋根の改修は「塗る・貼る・被せる」という3つの方向性がありますが、どれを選ぶかで効果と投資効率は大きく変わります。短期的な温度改善なら遮熱塗料、中期的なコスト削減なら遮熱シート、そして長期的な資産再生を狙うならカバー工法が有効です。ただし、正しい選定には現状診断と稼働条件の把握が欠かせません。
工場・倉庫の外壁塗装・屋根塗装専門店ジャパンテック(株)では赤外線サーモグラフィーやドローン点検を用い、温度分布・腐食度・防水状態を数値で可視化。稼働を止めずに施工可能な遮熱シートや、補助金対応が可能なカバー工法など、工場の稼働条件に応じた最適仕様を提案しています。夏場の冷房負荷削減や結露対策、さらには長期修繕コストの抑制まで一貫したサポートが可能です。
工場や倉庫の屋根を“資産”として維持するために、まずは現状診断と比較提案から始めましょう。お問い合わせはフォーム・メール・電話にて受け付けております。ショールームでは施工実例や遮熱効果の体感展示もご覧いただけます。
『外装劣化診断』はこちらから
お電話でのご相談、お問い合わせはこちら
フリーダイヤル:0120-605-586

越谷市、春日部市の外壁塗装・屋根塗装リフォームのご相談は
プロタイムズ越谷店・プロタイムズ春日部店・プロタイムズ越谷南店へ!!
