シート防水と塗膜防水の比較:操業中の区画施工

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工場や倉庫などの防水改修では「全面施工が難しい」「生産を止められない」といった制約がつきまといます。防水改修をする場合、老朽化による雨漏り対策や省エネ・設備更新を同時に進めるのも選択肢の1つです。問題は防水工法の選定で、重要な判断要素となっています。防水改修の主流は「シート防水」や「塗膜防水」です。どのような防水工法も高い性能を備えていますが、施工環境・コスト・メンテナンス性については熟慮が求められます。
実際のところ、これら2つの防水工法の違いや選定の考え方がわからないと、自信を持って選定できないものです。とくに「操業中でも工事ができるか」「どちらが長持ちするのか」「費用差はどの程度か」といった問題は無視できません。そこで今回のお役立ちコラムでは、シート防水や塗膜防水の比較や選定基準についてくわしくお話しします。
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防水工法の基本と構造理解
防水の選定を誤ると、短期間で再漏水や剥離が発生します。まずは2つの代表的な工法の構造を、整理しなければなりません。
シート防水
シート防水は、塩化ビニル(塩ビ)やゴム製の防水シートを貼り合わせて防水層を形成します。工場で生産された規格品を使用するため、品質の均一性が高く、施工ムラも少ないのが特徴です。屋上や倉庫などの広面積に適しており、熱溶着や接着剤で継ぎ目を密閉します。熟練した施工者による作業なら、短期間で高い防水性能を確保できます。
塗膜防水
塗膜防水はウレタンやFRP(繊維強化プラスチック)などの液体樹脂を現場で塗布し、硬化させて防水層を作る工法です。下地の凹凸や配管周りにも密着しやすく、シームレスな仕上がりになります。乾燥時間や気温に左右されやすいため、施工管理が品質を左右しますが、改修時には既存防水層の上から重ね塗りできる点がメリットです。
耐用年数の目安はシート防水で15〜20年、塗膜防水で10〜15年程度です。いずれも定期的にトップコートを再塗装すれば、さらに5年以上延命できます。経年劣化で生じやすい「継ぎ目の浮き」や「塗膜のひび割れ」を早期発見することが重要です。
ハイブリッド工法も有効
設備機器の周辺や複雑な形状部分では、塗膜防水の柔軟性が活かされます。シート防水は機械の架台や配管部に施工しにくいため、特定箇所だけ塗膜で補完する「ハイブリッド工法」も有効です。このように、現場条件に応じて2つの工法を組み合わせることが、防水性能と施工効率の両立につながります。
操業を止めずに進める防水改修計画の立て方

工場や倉庫では操業を止めない防水改修が必要です。安全と稼働を両立させる計画立案のポイントをお話しします。
操業を止めずに行う「区画施工」とは
防水改修をするとしても、工場の稼働を止められないという現実的な問題があります。そのため、作業区画については細かく分けて施工スケジュールを立てる「区画施工方式」が一般的です。
塗膜防水は液体材料を用いるため、狭い場所や設備の周囲でも施工できます。臭気の少ない低VOCタイプのウレタンを使用すれば、稼働中の工場でも安全に施工可能です。乾燥時間を確保するため、夜間作業や休日施工を組み合わせるケースもあります。
一方、シート防水は広い屋上や外部通路など、作業スペースを確保できる場所に適しています。熱溶着を行う際は、火気を使用するため安全管理が必須です。換気計画を立て、火気使用届を提出しておかなければなりません。
工法選びで失敗しないための判断基準
工法選定では、コストだけでなく施工環境や構造条件を総合的に判断する必要があります。シート防水が向いているのは、屋上・バルコニー・倉庫など広く平坦なエリアです。施工スピードが早く、接着剤を用いるため臭気が少ないという特徴があります。塩ビシートは耐紫外線性にも優れ、屋外環境に強い点がメリットです。ただし、継ぎ目の熱膨張による破断や浮きには注意が必要で、下地の段差や排水溝周りのディテール処理の丁寧な実施が求められます。
塗膜防水は、配管・ダクト・架台などが多く入り組んだ場所や、設備の稼働を止められないエリアに適している工法です。塗り重ねによって厚みを調整でき、部分補修や追い塗りも簡単にできます。既存層を撤去せず上塗りできるため、コストと工期の両面で有利なのです。
防水改修を成功させるための実務ポイント

ここからは、防水改修を成功させるために押さえておきたいポイントをくわしくお話しします。
施工前の劣化診断と計画立案
防水改修の第一歩は現状を正確に把握し、精度の高い計画を立てることです。まず、現地調査では目視確認だけでなく、赤外線サーモグラフィーやドローン撮影などの非破壊診断技術を活用します。これにより、屋根や床の温度ムラから漏水箇所・防水層の浮き・断熱材の含水などを高精度で特定できます。
とくに古い工場や倉庫では、既存図面と実際の構造が異なるケースも多々見受けられるものです。調査データをもとに現場実態を再構成することが求められます。
その上で、診断結果を反映した施工計画書の作成が必要です。工事範囲を区画単位で分割し、稼働スケジュールや人の動線を考慮して段階的に進めます。フォークリフトや搬入経路、非常口などを確保した上で、作業中の安全性と操業効率の両立を図るのです。さらに、気象条件(気温・湿度・風速)の記録を取り、施工可能日を管理することで、塗膜の硬化不良や接着不良を防止します。このような事前準備を徹底することで、トラブルを最小限に抑えた確実な防水改修が実現できるのです。
施工中の品質管理と記録保存
施工中の品質管理では「見た目」だけでなく、数値で品質を裏付ける工程管理が重要です。塗膜防水の場合、膜厚計を使用して下塗・中塗・上塗の各工程で厚みの測定が求められます。最終的に100〜120μm以上の膜厚を確保するのが基本です。
均一に仕上がっていない箇所は早期劣化や剥離の原因になるため、部分補修を行いながら進行します。一方、シート防水では、熱融着部やジョイント部の引張試験を実施し、JIS A6008の基準を満たす接着強度が確保されているか確認するのです。
品質確認は一度きりではなく、工程ごとにチェックリスト化して記録を残します。施工写真・測定結果・使用材料のロット番号を整理し、日報とともに保存しておくことで、万が一の不具合発生時にも原因を迅速に特定できるからです。
これらの記録は、完了報告書や保証書の発行時に必須資料になります。同時に、次回改修や第三者監査の際にも信頼性の高い証拠として活用できるのです。さらに国交省「公共建築工事標準仕様書」に基づく品質管理基準を参照すれば、民間工事でも同等の信頼性を確保できます。
点検周期と業者選定の基準
工事完了後のメンテナンスは、防水性能を長期にわたって維持するための「アフター施工」の一環です。防水層は紫外線・熱・雨水・荷重の影響を受け続けるため、放置すると劣化が加速します。とくに屋上やバルコニーなどの露出部では、5年ごとの定期点検を行い「塗膜のひび割れ」「シートの剥離」「排水ドレンの詰まり」「ジョイント部の浮き」などの確認が重要です。
初期劣化の段階でトップコートを再塗布すれば、防水層の再生が可能で、結果として20〜25年の長期耐用性を確保できます。また、点検時には赤外線サーモグラフィーを活用し、目視ではわからない内部の含水状態を調査するのも有効です。含水した防水層は膨れや剥離を誘発するため、早期発見が寿命延長のカギになります。
さらに、防水改修の品質を左右する最大の要素は施工業者の選定です。シート防水と塗膜防水の両方に対応できる業者であれば、建物形状や使用環境に合わせた最適工法を提案できます。業者を選ぶ際は、防水施工技能士(1級・2級)が在籍しているか、メーカー認定施工店として登録されているか必ず確認が必要です。このような条件を満たしているなら、品質基準に沿った施工・記録・保証体制を整備しています。
また、完了時に「保証書」「施工記録」「膜厚試験結果」「材料ロット番号一覧」を受け取っておけば、将来的な改修時や保険対応の際にも信頼性のある証明書類として機能します。このような対策を徹底すれば「防水層を施工して終わり」ではなく、長期的な視点で維持できるのです。
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FAQ(よくある質問)

Q1:操業中でも防水工事はできますか?
A:可能です。塗膜防水は部分ごとに施工できるため、操業を止めずに工事を進められます。臭気対策として低VOCタイプを採用し、夜間や休日に工程を分けることで安全かつ効率的に改修が可能です。
Q2:どちらの工法が長持ちしますか?
A:環境条件にもよりますが、シート防水は15〜20年、塗膜防水は10〜15年が一般的な目安です。どちらも定期的なトップコート塗り替えや点検を行えば、20年以上の耐用年数も実現します。
Q3:費用はどのくらい違いますか?
A:現場の形状や下地状態により変動します。複雑な設備が多い場合は塗膜、広面積ならシートがコスト効率は高くなる傾向です。実際の費用は各施工業者で変わるため、見積もりと相談は必須と言えます。
防水改修の最適解を提案するジャパンテック|区画施工で操業を止めない安心の防水計画を

防水改修は、単なる「雨漏り対策」ではなく、建物の資産価値を維持しながら生産性を守る経営判断の一つです。とくに工場や倉庫のように操業を止められない現場では、施工環境・安全・工期を両立させる計画が不可欠です。
工場・倉庫の外壁塗装・屋根塗装専門店ジャパンテック(株)では、シート防水・塗膜防水双方の特性を理解し、現場条件に最適化した「区画施工方式」を提案しています。たとえば、稼働エリアを維持しながら部分的に防水を進める手法や、臭気対策を施した低VOC材料の採用など、現場に合わせた柔軟な対応が可能です。さらに、施工後の品質保証・記録管理・定期点検を含めたアフター体制も整備しており、長期的な防水性能の維持を支援しています。
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